『南部生パスタ』というものをご存じでしょうか?
今どれほどの知名度があるのかは分かりませんが、簡単に言うと岩手県産の小麦粉を使った生麺のパスタ、ということです。
生パスタは好きですか?
それは昨年の秋口から南部生パスタ研究会の名で、ヌッフのBOSSを中心に市商工労働観光部の方々やほか行政の農政部・企画部・その他料理人の自分には名前が長くて覚えきれない多くの部署の皆様、製麺会社・北緯四十度のまちのみなさん、農協・全農含め小麦生産者・製麦会社・製粉会社、他にも数えきれないほどの人たちと、盛岡イタリア料理店のシェフ達で織りなす波乱万丈・七転八倒のプロジェクトXなのです。ワタクシ鳥居もチャーリーズバーの名前を背負って参加させていただいております。
南部生パスタのレギュレーションとしては、「県産小麦ゆきちからを75%以上使用した生麺を使用したパスタ」となっております。
そんな中、先の第21回会議において登場したのが東北農業研究センターさんで開発された新小麦品種「銀河のちから」。
より良い品質と生産性の向上のため、日々研究を重ねてきた東北農研さんの思いのひとつのカタチ。
これは試したいゴクリ。
こっそり他のシェフの顔を覗くとみなさん同じ事を考えている模様。
そんな垂涎の的・銀河のちからを、翌日振興局農政部の美しい女性の方がわざわざ持ってきてくださいました。
こんな麗しき女性とのステキな出会いも銀河の力のおぼしめしなのか !? と胸をよぎりましたがそれはさておき、
シェフ、生パスタを作りましょう。
とりあえず第一回ということでゆきちからを使った従来と同じレシピで挑戦。
粉に水を入れてこねる。
グッグッっとこねる。
ムム、ゆきちからの時よりやや生地が固い印象。
そういえば頂いた資料に、グルテンが強靭な超強力特性の硬質小麦とか書いてあったなあ。
ということはタンパク質が多いから吸水率も高いので水が足りないってこと?
でも製粉して何日熟成のものなんだろう?
そしてこの固めの状態で仕上げるか、いつものゆきちからの柔らかさまで水を足すか、一発目どちらのデータを取るか思案した結果、後者を選択。
そんな思いを巡らしながらこねること数分。
あらかわいい。
( [補足] 後で資料見直したら、ゆきちからと銀河のちからのタンパク含有量はほぼ同じでした。ムー、勉強不足。)
これを一度寝かせてから麺にするわけですが、ここでとっておきの秘密兵器。
生パスタ 『 マッケローニ アッラ キタッラ 』 製麺道具、『 キタッラ 』 ちゃんです。
これはワタクシが同じ言語を交わすのもはばかられるほどの人物、八戸イタリアン 『オステリア・デル・ボルゴ』の滝沢シェフから兵庫赤穂の超名店sakuragumiさんを通して買って頂いた宝物です。
ずいぶんごぶさたしております。滝沢シェフお元気ですか?
この宝物を使い、さあ麺を作ろう!
薄く伸ばした生地をー、
はい!
はい!
完成でーす♪
何本も張ってあるギターの弦にのせた生地に麺棒で上から力を入れて切り落とすわけです。
ちなみにこのマッケローニ アッラ キタッラ、弦で鋭角に切り落とすので断面が丸い多くのロングパスタと違い 断面が四角いという変わった舌触りのパスタでもあります。
ではお待ちかね試食試食~♪
小麦の甘さとの対比を見たいということでソースはシンプルなトマトソースに。
– Maccheroni alla chitarra al pomodoro –
まだ麺が残っているので相棒・松本作まかないに。
ホッキとキクラゲ・雪うるいのアーリオオーリオ
– Maccheroni alla chitarra molluschi e orecchi di Giuda al aglio con “YUKIURUI” –
粉もまだまだあるので、パンも作ってみました。
あらかわいい。
手のひらサイズのまんまるパンドカンパーニュ。
パカッ。
どの味もすべて筆舌に尽くしがたいので割愛しますが、(オイ!)出来るだけ早く皆様のお口に届けれるよう精進を重ねていく所存でございます。
では、また。
A presto.