ヌッフ・デュ・パプとは

ヌッフデュパプとは

店名にしました「ヌッフデュパプ」・・不思議な響きの名前です!いまでこそ「ヌッフ」と親しんでいただいておりますが、開店当初はまず聞き取ってはいただけない(笑)難しい名前で苦労いたしました・・

実はこれ、実在するワインの名前から戴きました南フランスの シャトー・ヌッフ・デュ・パプ というワインの名前です。すぐにピンときた方は なかなかのワイン好きとお見受けします!

「パプ」というのはローマ法王を指します、14世紀の始め、クレメンス5世がフランスのアヴィニョンに教皇庁を遷都します。そのアヴィニョンの近郊に法王の避暑のための城が築かれ、シャトーヌフデュパプ=法王の新しい館と呼ばれ、その城の周りには葡萄畑が拡がり、時を超え、現在でも非常に人気の高いワインが造り続けられているのです。(このクレメンス5世は法王に選出される前はボルドーの大司教でもありワイン好きで有名だった・・ なんて話もあるそうです!)

このシャトーヌッフデュパプというワインですが、これがとてもユニークなワインで、なんと13種類もの品種を栽培し、ワインとすることがワイン法で認められているという世界にも類を見ないワインなのです。しかも生産者によって用いる品種、割合はそれぞれに異なるのですから、ある生産者は1種類だけを使い、またある者は13種類をすべて使うと言う具合なので一口に シャトーヌッフデュパプ と言ってももの凄い数のヴァリエーションが存在するのです。繊細なものもあれば、逞しいものもあり、品よくエレガントなものがあればどことなく鄙びた野暮ったいものなど・・ 多様性に富んでいるんです。

この「多様性」こそ取り込んでしまいたかったのです!ヌッフは150席と広い店です、この広い店の中に 老若男女、様々な階層のお客様が集い、あっちでは若者たちがわいわいと盛り上がり、こっちでは恋人たちが愛を語り、またあちらでは仕事帰りに仕事の愚痴をつまみに、こちらではじっくりとワインに真剣に向き合って楽しんでいる・・・ 13種類ではないですが、色々なお客様が集まって醸しだす一つのうねりが店の空気を造り出し、その賑やかさに惹かれてまた人が集うそんな気楽に愛される店になれればという思いで付けた名前が「ヌッフデュパプ」なのです。

どんな方でも 分け隔てなく、肩ひじ張らずに 「美味しくて楽しい」を気楽に楽しめる店「ヌッフ」を 愛していただければと 強く願っております。

ヌッフのボス 伊東拓郎