Brodo   ~ブロード~

Brodo   ~ブロード~

今日もチャーリーズバーではコトコトコトコト・・・・・・。

ワタクシシェフ鳥居は5台しかないガスコンロの一つを忙しい中独占して、『ま~た鳥居さんが何か煮込み始めたよ・・・。』と、斜め後ろ頭らへんに林檎さんではなく相棒・松本君の視線を痛いほど感じますが、

辛抱して待つこと7時間。

『ブロード ペル リーゾ』の完成です。

長いので店ではブロード・リーゾと呼んでおりますが、あとはこれを丁寧に漉したら美味しいおダシの出来上がり。

ご存知の方も多いと思いますが、ブロードとはイタリア料理の背骨の一つ、ダシのこと。

日本に生まれたのですから、ダシの大事さはもちろんみんなの知るところ。コンブしかり。カツオブシしかり。

チャーリーズバーでは基本9種のおダシさんを常備。

比内地鶏ガラのブロード  『ブロード ディ ポッロ』     – brodo di pollo –

仔牛骨髄の出し汁   『スーゴ ディ カルネ』   - sugo di carne –

魚の骨とアラからとった  『ブロード ディ ペッシェ』  - brodo di pesce –

麦香豚コツとすね肉で  『ジュ ド ポール』      - jus de porc –

海老の殻から  『ブロード ガンベロ』      – brodo gambero –

牛スジをこんがり焼いて  『ブロード ディ カルネ』   - brodo di carne –

香味野菜のやさしい味  『ブロード ベジターレ』   – brodo vegetale –

ウサギさんの骨を煮込んだ  『ジュ ド ラパン』  - jus de lapin –

鳩さんの 『ジュ ド ピジョン』    – jus de pigeon  –

そのほか余った骨や端肉を削ったり、魚の頭なんかがあれば香味野菜と共に寸胴へ Go to Heaven !  新たなる役割へと昇華いたします。

ちょびっとフランス料理のお知恵も拝借しておりますが、ブロードの種類だけなら県内イタリアン随一を自負しております。

ま、ただ多ければいいわけでもないんですがね・・・。必要だから作ってるだけです、ハイ・・・

そんなわけで今回新しく仲間に加わりましたのが冒頭のブロード・リーゾ君。

他のブロードは汎用性が高くスープやソース・煮込みになどに大活躍ですが、このリーゾ君はリゾットを作るためだけに生み出されたVIP待遇のブロードなんです。

材料もVIPなもんで、他の仲間たちは基本一種類の素材を使い個性を強く出しますが、こやつ、牛骨・牛スジ・鶏ガラ・手羽先とみんなのいいとこ取りをしてその味わいが渾然一体となった複雑な味のブロードなのですゴクリ。

このレシピは秘伝なんですが、北イタリア・ピエモンテの巨匠ピエロ・ベルティノッティ師の影響を色濃く受け、冬場には牛骨、スジの割合を増やしややこってりに仕上げたり、夏場は鶏ガラ、手羽先を増やしてあっさりめにしたりしているわけです。

こんなダシ汁で生米を炊き上げていくんですが、リゾットには大きく分けて2種類あります。

まずさんざん言ってきたこのダシ汁を、米に含ませていき炊き上げるリゾット。こちらはややレストラン的。

もう一つは、他の旨みになる食材を加えてから塩を入れたお湯で炊き上げるリゾット。こちらはやや家庭的。

少し乱暴な言い方をすると、前者が炊き込みご飯。後者が混ぜご飯といったところ。旨みの素がコメの中にあるか外にあるかの違いですな。

『 料理という感覚的で瞬間的な世界においてその根本を為すものの一つは、「定義」と「解釈」である。

定義なき創作はただの思いつきであり、むろん解釈など有り得ない。

解釈ありき創造を経て生まれたものこそが、その料理と料理人の「個性」と成り得るのだ。 』

とのお言葉はジャンジャック・ルソーでしたでしょうか?西野カナでしたでしょうか?

いや、どちらでもないかもしれません。

そんなチャリバのリゾット、裏メニューにて数量限定絶賛好評提供中!

ご入用の際は、リゾットありますか?と、こそっとお尋ねくださいませ。

ブログ見ててくれたんだーー(T_T)とシェフはさぞかし喜ぶことでしょう。

最高の仕事をお約束致します。

   ~本日の裏メニューから~

イタリア米カルナローリを秘伝のブイヨンで仕立てた本物のリゾット piatto Ⅲ  

        - 生ソーセージ・牛アキレス・菜の花 ー   

          -  Risotto verace alla  “San Marzano”  –

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