波岩号 短角牛を繋いで来た8歳 種牛の肉
岩手 久慈市 田村牧場より
本当に貴重なお肉を分けて頂いた
短角牛の種牛 8歳の波岩号という牡牛の肉だ
波岩号のサーロイン
そしてこちらは ザブトン(首に近い肩ロースの一部)
サーロインとザブトンの2種の部位が冷蔵ショーケースに
鎮座している
実はこの波岩号の肉は2度目の入荷である
というのは この貴重な種牛を 屠畜したてと
2ヶ月の吊るし熟成を経た後とで比べるというミッションの一環
2ヶ月前にも波岩号の肉と 対面しているのである
その熟成による変化はどうかといえば
外観は 2ヶ月前も肉色の濃い所は変わらずだが
やはり 吊るし熟成を経て そのトーンは小豆色に近くなり
水分も抜けて乾いたニュアンスが多くなっている
香りもぐっと落ち着き 複雑さと深みをたたえている
手にすると前回はぶよ〜んとした一見締まりのない様態であったが
今回の肉は適度に引き締まり
見るからに 味わいの深まった感 複雑性のオーラがにじみ溢れている
それにつけても純正なる赤身だな・・
ザブトンなんて脂のノリで名を上げているのにもかかわらず
全くサシもささないこの赤身っぷり 見事なり
焼き上げるとこのように
左 ザブトン 右 サーロイン
お世辞にも 柔らかい などとは申しません
もちろん アゴが疲れる様なのは論外であるが
噛み締めてこその 肉 噛み締めてゴムのようでもいかん
噛み締める程に味わいが滲み出てくる ここがポイント
そもそも、肉が「柔らかい」ことは美点なのか
「柔らかくて トロける〜〜」という食リポは巷に溢れているが
それは食感の表現であって 味わいではない
肉の味 と 脂の味を 取り違えてはないかい? 的な
波岩号 しみじみと味わい深く 肉の持つチカラ(=生命力)が強い
そう思わせる肉なのである
そういえば 昨年 田野畑 山地酪農 吉塚さんの種牛 シチロウ(ホルスタイン)
もいただきましたが 同じチカラ(=生命力)を思った
あのときの感覚が蘇るような そうか そういう事なんだな
生命を 種を 守り つなぐ 種牛の生き様
ホルスタイン であろうが 短角牛であろうが 変わらない
そんな素晴らしい肉と出会い 得難いことを 識ることができた
波岩号をめぐる 全ての関わりに 感謝です
本当に 興味を持って頂ける方にこそ 食べていただきたい